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関節リウマチの治療法は、1999年にメトトレキサートが、2003年に最初の生物学的製剤が日本で承認され、薬物療法が一新されたといいます。
担当医は迷うことなくメトトレキサートを勧め増量していきました。
僕は朝、夕、2日間、合計4回に分けて服用するようにしましたが、それでも非常に食べにくくなる口内炎や胃の痛み、倦怠感が顕著で、メトトレキサートの日はソファーに横になっているのが通常でした。
かなり改善した時期でもリウマチ体操などのストレッチをすることはありませんでした。
自覚できない副作用のうち肝障害の数値は上限の2倍以上になったりしましたが、担当医は3ケタの数値がでるまではこのままという姿勢でした。
葉酸、バクタ配合錠、ランソプラゾール(パリエット)は副作用防止です。また、肺炎球菌ワクチン(健保きかず)も接種しています。
そのほかにプレドニゾロン量が多いことからフォサマック、エディロールカプセルも最初からで、まさに薬漬け、日~土の朝・夕の週間服薬予定表を作るはめになりました。
例えば今日は土曜日の朝、よってコレとアレを飲むといったように、飲み忘れ、飲み過ぎ防止のためです。
ξ
関節リウマチ特有の炎症痛に加え服薬に伴う体調の悪さが重なり、何とも不快なゴロゴロした生活でしたが、3か月目くらいからわずかずつ血液検査の数値は良くなっていきました。
その間、あまり感心しない民間療法も目にするようになりました。
現在の関節リウマチ治療は、リウマチ学会からガイドラインが出ているように免疫抑制剤やサイトカイン阻害薬を用いて免疫異常を是正するというのが基本です。
しかしあまり効果がなかったり、副作用がひどかったり、他の疾病があって特定の薬物治療ができなかったりして、標準的な関節リウマチ治療を忌避する人もいます。
メトトレキサートの代わりとなる薬もいろいろあり、実際には、工夫の余地はずいぶんあると思うのですが。
ξ
そこに民間療法や法外な価格の健康食品などが入り込んできます。
これらの効果はひとりのリウマチ患者に過ぎない僕には検証できないので、その宣伝文句から選り分けていくしかありません。
これは拙い、とすぐわかるのは「この療法で必ず治るようになっている。病気を治すのは貴方自身であり完治しないとすれば、貴方の心の持ち方に原因がある」といい、最初から治療家としての逃げ道を用意しているケースです。
これに、金額を積めば患者の心も浄化され必ず完治するなどと論外なことを言っている場合もあるかもしれません。
冗談ではありません、僕たちが心を入れ替えただけで病気が治るようなことはありません。
僕たちが関節リウマチになったとき感じる自責の念=弱みに付け込んでいるだけに違いありません。*1
ξ
経口薬であれば、何であれいったん胃に入って吸収されていきますから患者を治すのは服薬した患者自身であるのは当たり前です。もちろん点滴・注射でも同じです。
そして患者自身が治すとしても、薄っぺらな間に合わせの急ごしらえの俄か仕立ての表層の心が治すのではなく、元に戻ろうとする強靭な無意識が治すのでしょう。*2
移ろいやすい表層の心にできること、それは無意識の働きを妨げないよう、与えられた環境下で精いっぱい治癒力を発揮できるよう、じたばたせず「食事」と「睡眠」に病気以前には考えられなかったくらい気をつかうことで必要十分だと思います。
遅々として改善しない病いの前で、僕たちの表層の心に付け入ってくるアブナイ民間療法の誘惑を選り分けていくことが必要でした。