たかがリウマチ、じたばたしない。

2015年に不明熱で入院、急性発症型の関節リウマチと診断された中高年男子。リハビリの強度を上げつつ、ドラッグフリー寛解≒実質完治を目指しています。

ステロイド、離脱のとき

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ξ 

ようやくステロイドプレドニゾロン)の離脱について記事を書ける時がきました。

ゴールデンウィークに入り、この1年のリウマチ治療の僕の姿勢を振り返ってみました。

 

層の厚い標準的な治療を選択する。調べても治療効果のはっきりしない=エビデンスがはっきりしない療法にかかわらない。

プレドニゾロンもメトトレキサートも短期的な副作用ははっきり自覚できるが、薬が効いている証拠と思って受け入れる。

標準的な治療法は投薬中心なので、担当医とともにその減薬を常に考える。

栄養不良にならないよう食事に気を使う。体を休めるため深夜まで起きていたりせず睡眠に気を使う。メトトレキサートの日は倦怠感など体の不調があるので無理せずゴロゴロするようにする。

関節や筋肉の動きの回復を速めるようストレッチ(リウマチ体操や軽量ダンベル体操)を続ける。長時間ウォーキングはしない。

あとは、関節リウマチのことは忘れて生きる。いろいろな不調を訴えて病名がつくことを生きがいにしない。病気のことを考えすぎて自ら袋小路に入らない。

 

 ξ 

それにしても、この1年、身体の機能回復と減薬の過程ほど、生きていることを実感させることはありませんでした。

今日は体調が良い、1カ月前に比べれば腫れが引いた、入院中に比べればはるかに動くというように。

そしてフォサマックが消え、エディロールが消え、バクタ配合錠が消え、ついにプレドニゾロンの消える日がやってきました。

 

一時期、生物学的製剤の早め投入を検討しましたが、メトトレキサート増量で粘っていたのです。

生物学的製剤は、ぞっとするほど高額なわりに休薬の目途が不明で、かつメトトレキサートとは次元の違う副作用対策が予測されたからです。

 

ξ 

プレドニゾロンは、急速に腫れや痛みを鎮静化し、当初、その効果にびっくりした僕はテンションを上げて担当医に報告したものでした。

医師としては患者のはしゃぎ具合も想定内のことなのでしょう。

 

減薬過程の離脱症状と思われたもののうち最大のものは痛みの再発です。

いったん痛みが消えた首、肩、腕、肘、手首、手指そして下肢と、至る所が痛み出しました。

湿布薬が貼れるところはベタベタ貼って過ごしたものの、痛みはストレッチのやる気を著しく削ぎました。

しかしメトトレキサートはちゃんと飲んでいるし、関節が悪くなる不安にしきりに襲われましたが、うるセェー!と自分に言いきかせてストレッチを続けました。

実際には急に肘や膝が壊れることはなかったのです。

 

僕が一番心配したのは発熱であり、これがあったらアウト、今はこれ以上プレドニゾロンを減薬できないのだと限界点を決めていました。

痛みなら湿布薬やテーピング主体に、ときにアセトアミノフェンでなんとかしようと思っていたのです。

幸い、発熱まではありませんでした。

 

ξ 

プレドニゾロンの比較的早く出る副作用*1については、担当医から聞かされもし自分でも調べますから、あーぁといった感じでそれらと付き合っていきます。

しかし、服用期間が1年を超えると長期的な副作用も気になって、抗リウマチ薬に乗り換えて、一刻も早く止めたいと思うようになります。

 

ξ 

まず骨粗鬆症です。

代謝学会のガイドラインでは、プレドニゾロン5mg以上を3カ月以上使用する予定のあるときは、ステロイド骨粗鬆症薬物療法を行うとなっています。

担当医からは5mg×3カ月を、15㎎ならば1カ月に換算すると言われたような記憶があります。

僕の場合、完全に予防療法基準を超えていることから、当初からフォサマックとエディロールが処方されました。

 

ξ 

また動脈硬化性の病変(心筋梗塞脳梗塞など)のうち、例えば心筋梗塞の頻度と累積ステロイド投与量の有意な関連は、累積プレドニゾロン投与量20gとのことでした。つまりプレドニゾロン10mgでは約5年間になります。

そのほか糖新生の促進などから糖尿病を誘発させますし、白内障緑内障の発生もあるとされています。

つまり生活習慣病をつくるにはもってこいのハイリスクな薬剤といえます。

 

ξ 

さて、離脱の方法については、

PSL10mg/日以下では1mg/1~2カ月程度で減量を行い、最終的に1mgの隔日投与を行って離脱をはかる」や、

「血中コルチゾール濃度を測定し・・・3回繰り返し、その中で1回でも10μg/dlを超えていれば、視床下部・下垂体・副腎皮質機能は正常に戻っているというふうに考えて、中止にもっていく」

などの医療機関情報を探すことができました。

要は離脱の際の副腎皮質などの機能回復をどう判断するかという違いのようです。

 

ξ 

担当医は、減量する場合10mgまでは「2週間以上ごとに10%ずつ」という考えでした。あとで調べてみると、これは根拠(=エビデンスのある減量方法ではなく患者ごとの担当医の裁量のようです。

 

その後、10mgになってからの減量はたいへんゆっくりでしたが規則的で、次のような経過でした*2

● 10mg   7週間

●   8mg   4週間

●   6mg   〃

●   5mg   〃

●   4mg   7週間

●   3mg     〃

●   2mg     〃

●   1mg     〃

●  中止

隔日投与とか血中濃度検査とかは無く、あっさりとしたものでしたが、ともあれステロイドを中止し抗リウマチ薬のみに移行していく区切りの時を迎えたのです。