たかがリウマチ、じたばたしない。

2015年に急性発症型の関節リウマチと診断された中高年男子。リハビリの強度を上げつつ、ドラッグフリー寛解≒実質完治を目指しています。

寛解なのに痛むなんてあり得るだろうか(その2)

これは

寛解なのに痛むなんてあり得るだろうか (その1)

の続きです。

 

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ξ 

がんで放射線治療を終えた知人から連絡がありました。

治療の後遺症で関節が痛み、ある健康食品を飲んでみたところ非常に効いたので連絡してみたとのことでした。

半年以上ゴロゴロ引きこもりもう定期収入もないので慎ましく暮らしてきて健康食品にハマることはないのですが、ソコラヘンのドラッグストアに置いてあるというので試してみる気になりました。

健康食品の効果は、PSLのようにアララっ!というような短期間で実感できるものではないので、とてもおおっぴらに吹聴できません。

第一、本当に効果を実感するには、MTXをやめて試すとかオオゴトになってしまいます。

このためよくわからないまま手を出すことになり、経済合理性のセンスが出てきてソコラヘンのドラッグストアで安価に買えるものに絞られてしまいます。

仮に数か月後、関節の痛みが大幅に減っても、健康食品のせいなのかMTXのせいなのか夏に向かって自然に改善したのか、僕にはよくわからないでしょう。

 

ξ 

さて、もう一度*1、SDAIの寛解基準の式を見てみましょう。

SDAI=28関節中の圧痛関節数

+28関節中の腫脹関節数

CRP(mg/dl)

+患者の全般VAS(0~10cm、ビジュアル・アナログ・スケール)

+医師の全般VAS

患者VASというのは、唯一患者評価の因子として入っているのですが、患者からみても、バラツキの大きそうなちょっと苛立たしい因子です。

もし5個のうち患者VASのみ>1のようなケースであれば実質寛解とみなしても、おかしくないのかもしれません。

 

ξ 

しかし、DAS28の時から患者VASが寛解基準構成に入っていたのは、僕のようなリウマチ患者にはわからない重い経過があったのだろうと思います。

圧痛関節数、腫脹関節数、CRPなどの因子だけでは寛解を表現できない深い理由があったのだろうと思います。

その意味で、1患者としては、それぞれの臨床の場で、こうした世界水準の寛解基準を絶対に過小評価(ないがしろに)してほしくないと思います。

 

ξ 

さて、CRP>1で炎症が続いているような時期は、SDAI>3.3であることは普通でしょうから、抗リウマチ薬(MTX)の増量は続くでしょう。

この頃の僕は、血沈もMMP-3も基準値を超え、歩くのが困難なほど足首(なぜか28関節にカウントされない)が腫れあがっていました。

問題は、CRP<1と基準値に近くなり、腫脹数も圧痛数もチラホラとなるとどうなるのでしょう。まだSDAIは3.3超というケースです。

臨床的寛解目標未達=効果が不十分で増量と形式的にみなされることはなく

現在のMTXの投薬量、他の検査結果、副作用の発生度合などを見て判断されるような気がします。

加えて、患者の望む選択肢は、中止>減量>同量維持>増量の順でしょうから、減量という患者要望も出てくると思います。

 

ξ 

MTXの増量ではなく、減量・中止の手順について指針らしい指針はあるのでしょうか。

患者向けに優れた情報を発信している産業医大第1内科学講座の「膠原病・リウマチ性疾患治療指針(第11版)」が目にできるまれな事例だと思います。

http://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/1nai/homepage/for-patients.html

MTX単独療法で(NSAIDやステロイドは中止)、寛解(SDAI≦3.3)が24週間持続し、

RF陰性ならば、MTXを6-8mgに減量し、半年後に中止。

RF陽性ならば、MTXを1-2mg/月ずつ減量し中止を目指す。

SDAI≦3.3かつRF陰性ならば、寛解後、最短1年で中止を目指すようです。

SDAI≦3.3かつRF陽性でも、MTX12mgとすると寛解後、最短1年で中止です。

 

まだ先の話とはいえ、将来の工程表を、こうして夢想してみることが今の僕を楽しくしているのは間違いありません。