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2018年夏に、再び体調不良になってから、ステロイド(PSL)でCRPやESRの様子を見ていたが*1、順調に低下したとはいえず
2019年になって、両膝痛、両手のこわばりや左手指の腫れ・痛みが顕著になったので、関節リウマチの再燃とされ
現在、ステロイド(PSL)は減量して5mgを切っているとはいえ、もう1年以上処方されている。
低用量、とはいえるだろうがいつまでも服用していて問題ないのだろうか。
5mg以下のステロイドの使用は賛否両論あり
ステロイドはリンパ球の働きを弱め免疫抑制薬としての機能を持つ。*2
低用量では、主として抗炎症薬として使用されている。
関節リウマチでは、ステロイドはもっぱら炎症を迅速に抑える薬として使用される。
一方、メトトレキサートのような抗リウマチ薬の使用は、残念ながら治癒を目指す治療ではなく「疾患修飾療法」といい(「修飾」という言葉は日常、あまり使わないのでギョーカイ用語のように聞こえる)
それは無治療でみられる病気の自然経過を、薬物療法で「修飾」することによって変化させるという考え方である。
具体的には、免疫抑制・調節により進行のスピードをゆっくりにしたり、止めたりすることを目標としている。
権威あるリウマチ医の見解は
5mg以下のステロイドの長期使用は賛否両論ある、というものである。
これがもっともオーソドックスな見解だと思われる。
つまり結論が出ていないのである。
ステロイドの副作用について、さんざん言われている患者にとっては救いにならない話ではある。
いずれにしろ、有効な抗リウマチ薬に早く変え、ステロイドの減量から中止を目指すべきである、としている。*3
だから医師は、のんべんだらりと処方し続けるのではなく、ステロイドの減量・中止意識を常に持っていることが大切になる。
関節リウマチの一患者の感度で一般性はないが、身近な医学書のどこにも書いてないので経験的に言ってしまえば
●ESRが基準値上限の10(女性は15)程度以下、同じくCRPが0.3程度以下まできたら、低用量ステロイドとはいえ直ちに減量から中止過程に入る。
●この結果、ESRやCRPが上昇気味になってもメトトレキサートの増量や他の抗リウマチ薬への変更や併用で対応する。腫れ、痛みが出たからとすぐにステロイドを増量しない。消炎鎮痛剤(NSAIDs)も使用する。
みたいな感度でワタシはいる。
低用量ステロイドとはどのくらいの量なのか
参考にした資料によれば、関節リウマチを低用量ステロイドで治療した場合、その副作用との関連性を詳細に検討した研究は少ないそうである。
そもそもPSL換算で1日何mgまでが低用量なのかの定義も無いようである。*4
7.5mg以上の3週間以上の投与は副腎皮質機能を抑制すること
7.5mg未満の内服後に飽和されるその受容体は40~50%未満であること
などから、7.5mgを低用量上限とする考えもあり、欧州リウマチ学会などは7.5mgを低用量の基準として推奨しているそうである。
一方、5mgや10mgを低用量の基準値とする文献もある。
ワタシが馴染んでいる低用量の基準(?)は5mgであり、それはステロイド骨粗鬆症ガイドラインが、3ヵ月以上、PSL5mg以上を内服する患者に対し、ビスフォスフォネート製剤(フォサマックなど)の投与を勧奨しており、それに従いフォサマックを長く服用してきたから、である。
また、5mg以下では、大きな感染症に罹ることは少ない、精神的な症状を訴えることもあまりない、とも言われている。*5
これもワタシの体験に過ぎないが、ステロイドの減薬過程で、パニック症状・抑うつ、関節・筋肉のひどい痛み、ひどい倦怠感などは5mg以上(10mgから5mgの過程)で顕著だったような気がする。たぶん5mg以下の減薬過程では深刻な自覚症状はなかった。
現在のところ、ステロイドの使用についてまとめると
ステロイドの副作用を制御する臨床上の新たなエビデンスとか革新的なステロイドの開発は、最近は特に無いそうである。
そこで関節リウマチにおけるステロイドの使用は、現在のところ
- ステロイド併用は、3~6か月といった短期間・少量であれば、関節炎をコントロールして、関節破壊の進行の抑制効果もある。
- 5mgであれ、長期に使っていると、いろいろな感染症、骨粗鬆症関連の骨折を引き起こし予後が悪くなる。
- したがって抗リウマチ薬、生物学的製剤を使って関節リウマチをコントロールし、ステロイドは早期に減薬・中止する。
と、まとめてもよさそうである。*6