これは
の続きです。
ξ
マスクのために並ぶのがバカバカしくなって、ガーゼ生地やゴムひもを手に入れた妻は、ミシンを出してたくさんのマスクを作り出した。
鼻のところの押さえは、クッキーの袋口を結ぶ形状記憶みたいな紐(名称はワタシには分かりません)を縫い込めばいいそうだ。
ほんの一昔前、みんなこういうマスクをしていた。洗ってしっかり日に干して、アイロンで仕上消毒すれば問題はなかったはずだ。
「騒ぐ」と同時に「工夫」もすること!
ξ
さて、日本医師会は、町のクリニック(=地域の医療機関外来)で普通に行われてきたインフルエンザ検査は、医療用のゴーグルやマスクなどの十分な感染予防策がない場合は行わず、症状で診断して治療薬を処方するように、という通知を出した。
http://dl.med.or.jp/dl-med/kansen/novel_corona/2019chi_461.pdf
“インフル検査 控えて” 医師会 予防策とれない医療機関に | NHKニュース
それは、新型コロナウイルスに感染した患者の鼻やのどから検体採取するインフルエンザ検査をした医師も新型コロナウイルスに感染したから、と説明されている。
厚生労働省から医師には(大雑把に言えば)次のような感染予防策が示されている。
❶ サージカルマスク着用と手指衛生の励行
❷ 新型コロナウイルス感染症を疑う患者の検体採取やエアロゾル発生のリスクがあるときは、上記➊のほかゴーグルまたはフェイスシールド、ガウン、手袋、必要によりN95マスクなどの使用
常識的にみて現在の町医者すべてがこんな予防策が可能だとは思えない。
クリニックのレイアウトからして飛沫や接触の予防が不可能と思えるところもある。
ξ
近所のクリニックをみると次のように分かれていた。
●比較的広いスペースのあるクリニック
慢性病などの患者と発熱・咳・痰・息切れ・倦怠感のある患者と診察時間帯を分けていることを玄関に掲示。
●比較的スペースのないクリニック(日本医師会に掲示雛形あり)
- 発熱・咳・痰・息切れ・倦怠感のある患者は、事前に保健所・相談センター・厚生労働省等に電話しその指示を受けるよう玄関に掲示。
- 発熱・咳・息切れなどがあり、14日以内に流行地域から帰国したか濃厚接触があった患者は、事前に保健所あるいは医療機関に電話しその指示を受けるように玄関に掲示。
つまり診察時間帯を分けているようなクリニック以外は体調不良があっても直接行けない。
もちろん保健所・相談センター・厚生労働省等の「指示」によって、近所のクリニックに行ってかまわないということになる。(相談センターに確認済)
新型コロナウイルス感染症以外に、たくさんの発熱性疾患があるのだから当たり前である。
ξ
ところが現実には、患者にとってややこしい問題がある。
厚生労働省の通知によれば
患者が発熱や上気道症状を有しているということのみを理由に、当該患者 の診療を拒否することは、応招義務を定めた医師法(略)における診療を拒否する「正当な事由」に該当しないため、診療が困難である場合は、少なくとも帰国者・接触者外来や新型コロナウイルス感染症患者を診療可能な医療機関への受診を適切に勧奨すること
と記載されている。
これは
診療が困難である場合、帰国者・接触者外来や診療可能な医療機関への受診を勧めれば、発熱・咳・息切れのある患者は「診療を拒否」することができる
と読み替えられることになるだろう。
相談先によれば、(正直に教えてくれたが)発熱がある患者を門前払いして診療拒否したクリニックが実際にあり、そのクレーム相談もあるそうである。
しかしこれには厚生労働省のオスミツキがあることになるのではないか。
厚生労働省が医師の感染予防策の基準を明示して診療を制限する以上、患者の不利益にならないよう地域のクリニックに、感染予防資材全てを全力で供給すべきではないか。
そうしないと感染症治療にさっぱり役に立たない、インフルエンザ検査すらしない、現在の事態に素知らぬ顔(アッシニャー、カカワリノネーコトデゴザンス)をした地域「医療体制」なるものが、発熱・感染症患者の切捨てによって「維持」されるというショーもないことになる。
これは「できない理由ではなく、できる理由を考えよ」と長く社会的訓練をされてきたワタシ(たち)の常識に著しく反しているように思える。