ξ
2015、16、17と~ ワタシの人生暗かった~ ッテカー!
と、有名女性シンガーのご母堂の歌を
起き上がる拍子に口ずさんでいた。
寝床で、関節リウマチに付き合わされた3年間を振り返っていたのだ。
僕には、なんか総括みたいのが必要だ、いまを脱皮するには。
総括として書き出している。
2015年正月に、38.5℃くらいの熱と全身の関節・筋肉の痛みと強い倦怠感で近所の内科を訪れたところ、CRP≒6、WBC≒1万1千というような異常値が出た。
鎮痛や発熱に対処するため、ロキソニンが出たが痛みにはほとんど効かず、熱は2~3時間もすれば再び38度以上になった。
お手上げの近所の内科に3度目の時、総合病院へ紹介状を書いてもらった。
症状や数値は近所の内科の時よりさらに悪化していて、即入院の診断となった。
しばらく待機していたら、外来担当医から「奇跡ですね、今日ひとつベッドが空いたらしいです」と言われた。
正直、助かったと思った。家で寝ていてもどうにもならない苦痛だった。
明らかに多関節炎といえる症状はあったが、鑑別には時間がかかった。
悪性腫瘍や重篤な感染症は次第に除外されていったが、複数の自己免疫疾患が重なっている(重複)のではないかという見方が優勢だった。
1カ月近く入院して、非典型の関節リウマチの可能性に絞られていくと、まず症状に対処するためステロイドの投与が始まった。痛みは改善したが、血液検査数値はさっぱり改善しなかった。
介助なく歩けるようになったところで退院し、2週間後にはメトトレキサート(MTX)の投薬を開始した。
発病2か月程度でアンカードラッグと呼ばれるMTXを開始できたのだから、かなり早いスタートといえる。
関節リウマチの診療ガイドラインでは、少なくとも6カ月以内に治療目標(臨床的寛解など)達成を目指し、3カ月でまだ改善が見られない場合治療を見直す必要がある、としている。
だからDMARDの併用・変更は相当のピッチで行われることになる。
投与開始直後は、副作用の管理が重要なので2~3週間ごとに通院していたが、そのたびMTXは増量された。
CRP、ESR、MMP-3などの数値が順調に低下しないので、生物学的製剤導入のための諸検査も通院のたびに進められていて、MTX開始3か月後には製剤併用の流れとなって点滴開始日を予約した。
勘弁してよ、という速度だが、思いがけず直近の検査で、MMP-3は別にしてCRPがようやく2近くまで下がり、ESRは辛うじて30を切った。
担当医と相談して、いったん生物学的製剤の併用を先送りにした。
ξ
こうしてMTX単剤のまま、2017年半ばまで服用し、現在休薬中である。
僕の知人には、悪性腫瘍で手術をしたり放射線治療をした人がいる。
そして痛みのような後遺症、一部合併症を抱えたまま、定期的に検査に通っている。
再発に僅かに怯えたり、検査結果にホッとしたりを繰り返している。
現在の僕と、ほとんど同じ境遇だ。
これはすごいことではないのか。
大病から回復した人と、予後の話がまったく通ずる。
いろいろな身体愁訴を抱えながらも疾患活動性が非常に低い状態を保って、3か月に1回病院に通っている。
徐々に悪化していく「不治の病」「一生もの」と決めつけないでいられる。
ブログ記事でみられるベテランリウマチ患者さんのネアカさにいつも感動しているが
いまは早期関節リウマチなら、再発しやすいかもしれないがドラッグフリー寛解を目指すことができる疾患、と思うことができる。
そういう患者でいられる。これはすごいことではないのか。
ξ
3年超のリウマチ療養初心者として、まったくありふれた療養法で確信を持てたことが2、3あった。
まず心身に負荷のかかりすぎる仕事を避けることはやむを得ないと認めることとして
もうひとつは腸の健康維持である。
どんな療法を持ってこようと、栄養摂取と免疫機能のベース基地になる腸が不完全であったらなんにもならない。
便秘と下痢を避けるようにする。
当たり前だが、規則正しい食事のうえ、食べなすぎ、食べすぎをやめる。
発酵食品と酸っぱい食品と食物繊維は好んで食べるようにする。
食酢を主体とした調味料を作っておき(酢漬けのようなもの)、なにかといえばふりかけたり食べたりする。
体調により便秘や下痢をしたときは、(気休めであれ)ドラッグストアで売っているフツーの整腸剤の世話になる。
ξ
次に筋力の維持である。
体操、ストレッチ、ウォーキング(速足歩行)などは、疲れるので毎日ムキになる必要はないが継続したほうが良いはずだ。
人間の筋肉の7割は下半身にあるそうだから、ウォーキングや軽いジョギングは即、筋トレになるだろう。*1
当初、腫れあがった足に合う靴もなく、屋内型の体操、ストレッチに特化していたが、やがて屋外型の運動ができるようになり、ウォーキングに馴染んできたころ、着替えて、さあ、歩き出すぞ、という瞬間、急にハイになった気分=怖いものなしの気分=悩んでいるのがバカバカしくなる気分=一種の快を感じるようになった。*2
体を動かすことの繰り返しは、このように大事なのだと思った。
まず筋力がつくと、身体の発熱が促進され、四肢の冷えからは解放されやすい。冷えに起因する身体の愁訴は減少する。
腸が健全で筋力がつけば、カラダの愁訴、ココロの愁訴いずれも改善すると信じられた。
ジッとしたまま、心の持ち方、などあれこれ思ってみたところで、風が吹けば桶屋が儲かるような回り道である。
腸と筋力の強調くらいは、誤った療養法の流布にはならないだろうと思って書き出した。
*1:最近のハヤリのゴースト血管(酸素・栄養を運ぶ毛細血管が失われていくこと)対策にもなります。
http://www.nhk.or.jp/special/kekkan/detail.html
*2: