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たかがリウマチ、じたばたしない。

2015年初めに不明熱で入院、急性発症型の関節リウマチと診断された中高年男子。リハビリの強度を上げつつドラッグフリー寛解を目指す。そしてゆっくりとリウマチ治療について考えていきたいと思います。

病気と向き合うということ

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ξ  

最近、「BS1スペシャル ホースフレンド~人と馬・北の大地の再生物語~」(6月19日)ほど熱心に観た番組はありませんでした。

 

 たいてい重苦しいドキュメンタリー番組は療養向きではありませんが、長く暮らした北海道の話題なので観たのです。

 

 ξ  

39歳の元花形騎手の物語です。武豊より1世代若いかなといった年代です。

ところが<彼>はレース中の落馬事故で、重い記憶障害と左半身の障害を後遺症として抱えています。

世話になっている白老(しらおい)の牧場の人々のことも、1晩過ぎれば顔も名前も忘れてしまうほどだったようです。

現在でも、今日した作業を日記にマメに付けないと生活の維持が難しいようです。
離婚し子供たちとも別れ、無謀かもしれないパラリンピック東京大会出場を目標に、新たに馬術を始めました。

父親として再び子供たちに会いたいと。

 

ξ  

しかし左半身の不自由さもあって、馬と折り合いをつけていくことも難しくなっています。

馬が非常に敏感であることに驚きます。簡単に<彼>を拒絶するのです。

挑戦した道内の馬術大会ではおとなしい馬に替えたものの、最初は、馬を真っ直ぐ歩ませることができませんでした。

左半身、右半身のバランスをとることが難しかったためと思われます。

 

誰だって不自由なところがあれば、できません、ではなく微妙なバランスをとったり意識の働かせ方を変えたり思いがけない方法を用いてこなそうとします。
<彼>が2回目に馬を真っ直ぐ進めることができたとき、画面では分かりようがないものの、どういう操作をしたのだろうかと目が離せませんでした。

 

ξ 

<彼>が落後者として自暴自棄のままではなく新たな道を歩み出すことができたのは、周辺の人々の信じられないほどの支えがあったからです。

その冷静な配慮が素晴らしく、<彼>に決して無理をさせていないのがわかります。
それにしても、生きる不都合をたくさん抱えているのに、なぜ人は再生に向けた努力を始めると心が安定していくのか、僕にはまだわからないところがあります。

 

ξ  

<彼>が、この牧場で優れた指導者に出会い、パラリンピックを目指した人生を歩み出した結果、重い記憶障害が治ったりする保証はありません。

治療ではないのです。馬術を通じて障害を治すなんていう功利的な発想はないのです。

しかし<彼>は自分の再生を目指しています。

 

こうして病気・障害・治療などという世界からパチンと逸脱してしまっている事実
そしてこの道筋が<彼>自身の心を大きく落ち着かせている事実
そうした清々しさが感動をつくっているのは間違いないと思われました。

 

ξ  

もし心の安定こそ人生の最終目標だと抽象的に考えたら、奇妙な訓練や修行に迷い込みそうで僕の趣味に合いません。

そうではなく、関節リウマチから逸脱した別世界を生きたいと考えることが、僕の「終活」の第一歩なのだろうとしきりに思うのです。