たかがリウマチ、じたばたしない。

2015年に急性発症型の関節リウマチと診断された中高年男子。リハビリの強度を上げつつ、ドラッグフリー寛解≒実質完治を目指しています。

食事について「近藤理論」は至極まともだ

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ξ

「がんと闘うな」で有名な近藤誠氏は、『クスリに殺されない47の心得』(アスコム、2015年)を出版しました。

「近藤理論」を本書からの引用で説明すると、がんには本物のがんとそうではない「がんもどき」の2種類があって、本物のがんは治らないし、「がんもどき」は命にかかわらないので無闇に治療するな、という理論です。

つまり傍流の民間療法というわけではなく、標準的ながん治療の現場でその治療法に疑念を呈しているのですから、がんの関係学会・大学医学部との論争はあってしかるべきです。

争点がはっきりしているのだから、だんまりや黙殺という手段ではなく決着をつければよいと思います。

がん患者だけが揺れているのでは救いがありません。

そうした決着なしに標準的な治療を実施する側が「近藤理論」に揺れるがん患者を非難することがあればあんまりでしょう。

 

ξ 

近藤氏の著作はベストセラーが多く、これは現在の「誤った」医療、「過剰」医療に疑問を持つ患者や医療関係者が非常に多いことを示しています。

僕はがんではないが、関節リウマチになって驚くほどの量の薬を処方されたので、さすがに不安になって本書を手にしました。

「近藤理論」とは、直接的にはがんへの対処法ですが、本書は近藤氏が薬との付き合い方について自説を展開した本です。

いまや薬の飲み過ぎが良いわけが無いと誰でも知っているでしょうから、それを再確認するような本でもあります。

 

無農薬野菜にこだわるのに、自分の体はどっぷりクスリ漬け。

添加物にはぞっとするのに、クスリが「添加物のかたまり」とは気づかない。

(本書から引用)

 

病気になると、大量に薬を飲みながら突然反省して、何を思ったのか有機無農薬栽培の作物の摂取などに拘ってみたりするのはどういうものでしょう。

長期的な過剰摂取による副作用が無いわけではない漢方薬や健康食品よりましと言う程度ではないでしょうか。

また、身体に取り入れる「薬もどき」をどんどん増やすのではなく、思いっきり減らすのが身体の負担が減り回復を早めることになるのではないでしょうか。

 

ξ 

患者さんから「食べもので気をつけることは?」

と聞かれると、僕はいつも「玄米菜食や断食をしないこと。やせて体力が落ちて、早死にするから」と答えます。

・・・・・

一方、100歳を超えて元気な人はみんな肉、卵、乳製品などの動物性タンパク質をしっかり摂り、ベジタリアン菜食主義者)はほぼ皆無です。

(本書から引用) 

 

関節リウマチの標準的な治療でも食事制限は無しとされています。

  1. 積極的に摂りたい栄養は、タンパク質。肉類、魚介、卵、乳製品、大豆など。
  2. もう1つはカルシウム。牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、小魚、ホウレンソウなど。
  3. さらに、ビタミンD(きのこ類、青魚)、マグネシウム(貝類、ナッツ)、鉄分(赤身肉、レバー、貝類、ヒジキ、海苔)など。

が、心がけるべき栄養です。

 

ξ 

こうしてみると、近藤氏の説は別段変わった話ではなく至極まともなものです。

要は「細胞力」(近藤氏の表現)を強めて丈夫で長持ちするようにせよということです。

関節リウマチという炎症性の疾患では、低栄養では回復が遅れるでしょう。

また、抗リウマチ薬のような免疫抑制状態を生む薬には身体各部の細胞の抵抗力のようなものが防波堤になるでしょう。

疾患にも薬にも負けないため低栄養ではいけないということです。

そのようなあたりまえの食事が実現できたら

医師の処方する薬以外に「薬もどき」を口に入れるなんて考えない、そして処方された薬も少しずつ減らしていく

うにするのが精神衛生上もたいへんよいのではないでしょうか。